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MEGANE ROCK|メガネロック

MEGANE ROCK|メガネロック について書かせて頂きます。

今回お邪魔した、福井県・鯖江市の隣町である武生市。

日本古来の鍛造技術を守り続け、

1979年に打刃物業では初めて国の伝統的工芸品の指定を受けた、

越前打刃物の生産地であるそうです。

雨田さんのお口からも、『 眼鏡を伝統工芸品として捉えている。』

という、お言葉を聞かせていただきました。

長い歴史を受け継ぎながら、生産される鯖江市の眼鏡に対してのプライドと、

確かな技術から生まれる一本なのです。

信じられない程の細やかな工程をいくつも経て、今、店頭に届いているのだと感じました。

 

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雨田氏が拘る、世界最古のプラスチック セルロイド という、素材。
丹念な磨きをかけた時の、深みのある光沢感と、抽象的な色味。
そして、かけ馴染みの良さは、一度手にすると、中毒性があります。

では、なぜ今、取扱いが減ってしまったのかというと、
セルロイドは可燃性が高く、工場の火災の出火原因となる事がしばしばあったそうで、
現在は欧米では、取り扱うことが禁止されているそうです。
生産時の、取扱いのリスクが高いというのが理由なのだそうです。
( ※眼鏡が、突発的に発火するという事ではありません )
なので、セルロイドを取り扱う工房は、
写真の様にブチ抜きになっていたりと、高い天井になっているそうです。

 

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まず、ご覧頂きたいのはこちらの写真。
磨き前のフレームを半分だけ磨いてくださいました。
これを見させていただいた時は感動。
目の前で、手をかけた分だけ光沢を増していく様に、興奮しました。
これでも、まだ途中の行程なので、完成品は店頭で見てみてください。

 

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ローラーが三台、大きな口を開けていました。
粗く角を削り、大きな傷を消すための、特殊なガラが入っていました。
その中に、切削からあがってきた眼鏡を一定数入れて、
3段階に分けて、それぞれ24時間ずつローラーを回すそうなのですが、
職人さんが調整する、ガラに含ませる油分量をはじめとして、
気温や湿度などといった、自然環境にも大きく左右されるそうです。
大変です。

 

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機械では取りきれない角や細かい傷は、こちらも3段階に分けて、
丹念に、雨田氏の手によって磨き上げられていきます。
安易かもわかりませんが、個人的に一番感動したのがこの工程。
一本一本、丁寧に磨き上げられたフレームは、全くの別物に仕上がっていました。
手による磨きの行程は、特殊な房総半島で取れる泥や、海外から取り寄せられるパウダーで。
自分では、全く理解できないさじ加減で、磨き上げられていきました。
お一人で、作るには限界もあるのではないかと、感じるような緻密で膨大な工程。
だからこそ生まれる、深みや存在感があるのだと思います。

 

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MEGANE ROCK|メガネロック の、アームには芯が入っていません。
NO芯 と呼ばれる技法なのだそうですが、軽量で輪郭に馴染むかけ心地が生まれます。
見た目にも、クールだと思います。

実際にはもっと様々な工程があり、職人技により仕上げられ、
組み立てられていくのですが、磨きの部分に注目してのご紹介でした。

明日はいよいよ入荷してる MEGANE ROCK|メガネロック のラインナップをご紹介です。