Silver and Gold
2020.07.27

cantate Exhibition & Preview

cantate|カンタータ 恒例の EXHIBITION & PREVIEW を開催いたします。ありがたいことに幾度とイベントを重ねさせていただく中で、もう内容をご存知の方も多いのではないかなと思いますが Designer : 松島 紳 氏に来店していただき開催する POP-UP EVENT です。今回は久々に Question & Answer 形式で、コレクションの事やその他関係ない事も交えながら cantate & Shin Matsushima を覗き込んで頂こうと思います。毎回ご協力いただきこの場を借りて感謝致します。皆様もぜひ楽しんでいってください。

 

DATE : 8/1 (SAT) & 8/2 (SUN)

PLACE : Silver and Gold Umeda

TELL : 06-6375-8288

MAIL : sg-umeda@silver-and-gold.com

DETAIL : 20AW 販売会 & 21SS 先見会( 両日ともに松島氏は在店致します )

 

 

 

【20 A/W presentation session #010】

Designer : 松島 紳 ( Shin Matsushima ) 氏を店頭にお招きして、皆様に接客対応をいたします。稀有な生産背景のこと、生地やパーツのこと。そしてディテールの意味や、ウィットに富んだ言われないとわからない様な松島氏のアレンジのこと。いつも聞けば聞くほど、購買意欲を刺激されてしまいます。皆様もぜひご堪能ください。そして、既に入荷している品番に関しても欠品している部分のフォローも少しあります。詳細に関しては店舗にお問い合わせください。

 

 

Q : 「お忙しい中 Q&A 快諾して頂きありがとうございます。恒例の時期ですね。東京と名古屋で大好評だったとお伺いしています。巡業の疲れ溜まっておられるんじゃないですか?」

A : 夜も足りないですね・・・大阪でも足りない日々重ねたいです!

 

 

Q : 「松島さんの夜が足りる日はなかなか無さそうですね。(笑) 足りてる松島さん想像したくないです。」

A : cantate 松島 紳 改め、ストイックなドリンカーとして頑張ります(笑)

 

 

Q : 「シーズンを重ねる毎にこれまでのファンの方(我々も)は更に底なし沼にハマってくれていて(笑)、新規のお客様もどんどん増えてくれていますので、初めての cantate にオススメのアイテムを教えて下さい。因みに自分はやっぱり Tapered Denim ですかね、様々な面で感動があります。」

A : Denim Tapered Trousersもそうですが、Flare、T Shirt、シャツも最初に手を取って頂くにはおすすめです。 最初からコートというのも勇気ある決断だと思いますので、比較的手頃なアイテムから初めて頂けた方が虜になっていただけると思います。 ぜひ、ガンガン着て洗ってみてください。なぜ販売員さんが cantate をお勧めするのか感じていただけるかと!

 

 

Q : 「流行り廃りとは距離を置いた、どの時代でも服の中心にあるような普遍的な表情のアイテムが揃いつつ、ベーシックからはかけ離れた変態性を毎回感じています(笑)。毎回なるほどなと2度も3度も頷かされるアプローチを突きつけられています。今期だと WOOL FLEECE 、見た目と実用性に優れていますが、生地の事・ディテールの事聞いてみたいです。」

A : ウール100%のボアです。あるじゃん?見たことあるよ?たぶん勘違いでしょう。苦節3年かかったので、おそらく世界初です。 もちろん、時間がかかれば良いというものではないですが、それくらい作るのが難しかったのは事実です。 さて、アクリル、ポリエステルではない高価なウールで作った意味ですが、石油から作られる化学繊維は油とくっつく性質があります。 どういうことかと言うと。。。 ケンタッキーフライドチキンを素手で食べると手がベトベトになりますよね?でも、コンビニのビニール袋で手を拭くと手の油が消えます。 それくらい油は石油系繊維にくっつきやすいという性質があるのも事実です。 冬になるとかゆ〜くなるもの体の油分がなくなっているから。 体に優しく、環境にも優しいウールボア試してみてください。きっとカーディガンのようにたくさん着るはずです。

 

 

Q : 「session 10 という事で、なんだか節目な数字。5年間ブランドを続けてきて印象的な事ってどうですか?ばっくりした質問ですいません。モチベーションとか、教えてください。」

A : 5年間も支えて頂きありがとうございます。一重にお客さま、取引先の皆さまのお陰でございます。 少しお話ずれますが、cantateとは声楽と伴奏付きの形式のことです。 ただでさえ贅沢なオーケストラに歌手もいる、そんな贅沢な形式のことでもありますが お客さまや取引先さまがあっての cantate です。 こんなこと言うの照れ臭いですが、助けられてます。少しずつお返しできるよう頑張りますのでご贔屓に願います。 あ!印象ですね! 目の肥えたお客さまがすごく増えてきた気がします。 みんなどこでそんなにお勉強しているのか・・・ カタログを毎シーズン作っているせいでしょうか・・・もっと驚かすことが出来るよう精進します! モチベーションの維持ですが、人です。 酒が好き、人が好き。と口癖のように言ってますが、1人では生きていけません。 お酒や食事も買い物も1人ではなく、誰かと会ってお話して楽しい空間を共有出来るから幸せに感じるのだと思います。 良いお店には素敵な人が必ずいる。 お客さまにとってはどうかわかりませんが、お客さまが買い物で悩んで悶えている姿を見るときほど嬉しいものはないです。 そんな瞬間で明日も、来シーズンも頑張ろうと心から思います。 ありがとうございます。

 

 

 

【21 S/S presentation session #011】

松島氏 の INSTAGRAM : @not.enough.night で既に情報が解禁され出している 21 S/S 次のシーズンのコレクションの先見会を、今回も開催いたします。次のシーズン、スカジャンやモッズコート、シルクのショーツ等、とびっきりの素材を松島流で調理したアイテムがずらり。遊びの効き方・効かせ方、ニヤリとしちゃう、欲しくなる。せっかくだからご本人の話を聞きながらどうぞ。今現在暑いので、来年の春夏の事もリアルに考えやすくていいですね。

 

 

Q : 「ブランドコンセプト<ハレとケのワードローブ>いい言葉ですよね。衣食住の<衣>ですから、古くからの言葉で生命の維持に必要な<食><住>と並べられているのって、この仕事してるとすごく誇らしい気持ちになります。cantate は昔から、ハイエンドなドレスとカジュアルを稀有な職人技の結集により両立していて。それってすごい事ですよね。改めて、そのアプローチに行き着いた経緯を教えて下さい。」

A : 最近はドレスに興味があって、週の3日はスーツを着て過ごしています。 カジュアルと違い、ドレスはしっかりとしたルールがあるのでルールを守りながら自分なりの着方や楽しみを見出すことに惹かれています。 カジュアルには、ルールはないけど、こうだったらもっと格好いいよね、といった縛られない自由な楽しみに方があります。 自由って不思議な物で自由だけど自由じゃないことも多いです。 先輩が、あの人が、販売員さんが、格好がいい着方をしている、それだけで刺激になります。 ドレスは着こなしに時計も含まれてきますが、カジュアルはもっと格好がいいだけを追い求めていいと考えてます。 なんなら、ヘインズのTシャツと501のジーンズで誰が一番格好がいい?そんな同じアイテムのサイズ感で勝負している部分がカジュアルの良さです。 脱線しましたが、経緯はドレスもカジュアルもハレとケ両方知っていれば人生はより豊かになる。 知らなければいけないと少し前は思ってましたが、知らなくてもいいです。 知ってたら明日は、知らない未来より少しだけ明るいよ!そんな気持ちです。 伝わってますか?w 最近の服作りの考え方です。 "馴染んでいない好ましいものは、いつだって、人の気を引く"

 

 

Q : 「そして、気になるネクストシーズン。定番的にリリースされているスウェットシリーズはもちろん、人気のシャツシリーズにも半袖が登場するなど厚みが出ていました。特にスカジャン、モッズコートに目を奪われました。スカジャンには TOKACHI(十勝)の文字、松島さんの出身地ですね。 北海道いいところですよね。自分の母親も北海道なんですよ。十勝ワイン愛飲してます。十勝はどんなところですか?」

A : 年間の8割が晴れという晴れの街です!みなさんがよく食べているじゃがいもや、牛乳など農業、酪農、畜産業が盛んな地域です。 スカジャンにも描きましたが、とても綺麗な清流 十勝川、雲を堰き止めてくれる 十勝岳、十勝平野と北海道でもとても自然が豊かな場所です。 服屋さんはとても少ないですが、美味しいご飯や自然を見にぜひ旅行に来てくださいね!

 

Q : 「超個人的に House Hair のブレスレットが気になりました。色気ムンムンですね、いつも品のある手首周りですよね。アクセサリーとかカバンとか、コレクションとは関係ないですがいつもどういう基準でお買い物されていますか?」

A : 修理してまで、長年飽きずに愛用できるか。です。修理することもお金かかってきますが、修理代かけてまで愛用する意味が物に見出せるものは買ってしまうことが多いです。 松島といえばコレだよね。みたいな所有者がいなくても、ぼろくてもアイテムを見て所有者がわかるくらい手入れをしながら使い続けるほうが自分らしいなあ、と思います。 Horse Hairですが、修理対応を考えなければ早い時期にリリースするこが可能でした。 ただ、1円でも頂く以上、しっかり修理まで考えていかなければいけないので馬毛部分を交換出来るよう接着剤選びに時間をかけてます。 使用していくと経年変化で黄ばんできますが、格好がいい黄ばみ方をするはずです。 ゴールドの末長く続く質感とオフホワイトの馬毛のコントラストはまる人にははまると思います。

 

 

Q : 「2021 SS において軸になった気分や気持ちってなんでしたか?」

A : すごく大好きな人が亡くなったり、新型コロナウイルスで取引先や工場が苦しんだりしていたことがすごく影響されてます。 ぼくはマスクは作らない。 変わりと言えるかわからないですが、服屋なんで服作りました。 当たり前じゃん!と言われるかもしれませんが、当たり前のようにいつも通りに仕事をする難しさ知ったから余計に何も変化がないよう気配りしているつもりです。 cantate では品質を変えず、業界が少しでも良くなるようにと上代を気持ちですが勉強している商品もございます。 いつもプライスで悩まれていたお客さまへ少しでも多く届くように、お店に元気になってもらうため、と小さいですがぼくからの気持ちです。 服を通じて受け取ってもらえると嬉しいです。

 

 

 

(画像は過去の Rios of Mercedes by Shin Matsushima の Boots です)

【 about Rios of Mercedes 】

今年も来ますよ Rios of Mercedes by Shin Matsushima 。今回はザ・アメリカンレザー ラティーゴでアプローチしています。ソールがレザーかクレープかでお選び頂けます。昔から百聞は一見にしかずと言います。詳細は後日公開いたしますので楽しみにしていて下さい。カッコいいですよ。

 

 

Q : 「ネットでのインタービューの際 Rios が凄く並んでる写真を拝見しました。松島さん Rios of Mercedes 何足お持ちなんですか?」

A : 少し減らしましたが、今は8足ですね。ムカデじゃないので、1足で十分ですが、何足も欲しくなる不思議なブーツです。

 

 

Q : 「松島さんが作る Rios of Mercedes 2020Ver. ちょっとだけ教えてください!」

A : トップクオリティのラティーゴレザーですが、実はカウハイドではなく、世にも珍しいホースハイドです。馬革らしいシワの入り方、ラティーゴレザー独特のマットな光沢、経年変化の色合いすべて、アメリカらしいですね。 ぼくたちが求めているアメリカ製のものはもう悲しいことに多くなく・・・ アメリカらしさを求めると新しいアメリカらしいものを考えて作る必要があります。 アメリカ製に拘っているわけではなく、たまたまRiosがアメリカ製、しかもリーバイスと同じ年数の歴史を持ってます。 アメリカ製に用があるのでなくてRiosが作るアメリカらしい物に興味があるんです。 “らしい”空気感、テキサスの乾いた空気感をブーツを通じて感じてみてください。 10日ほど履いたRiosと一緒にお待ちしてます。

 

 

Q : 「Rios of Mercedes が気になりつつも、まだ手にしていないお客様多いと思います。もちろん値段も値段ですし。自分は松島さんにやられて(笑)2足愛用しています。なんなんでしょう、高揚感あります。履かない期間があってもまた履く時、買った瞬間のテンションに引き戻してくれる。話が逸れちゃいましたが、ネクスト Rios ホルダーの皆様に一言お願いいたします。」

A :  履けば履くほど、自分に懐いてきます。よく冗談のように”履けばわかるさ”と言いますが、履かなきゃわかりません。  Rios の履き心地は唯一無二の作りからきてます。 グットイヤーと違うコルクが入っていない独特な作りが蒸れない。トゥスプリングがあるから歩きやすい。すべて計算されてます。 デザインより履き心地に痺れるRios of Mercedes、そんな素直にお勧めできるものは多くないです。 一度足を入れて履き心地試してくださいね!

 

 

 

改めて Q & A ご協力ありがとうございました。胸に響くフレーズが沢山ありました。文面でも十分にお楽しみいただけるご回答でした。イベント会期中には実際にお会いいただいて、お話をしながらもっと魅力に触れてください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 

 

cantate|カンタータ

強く撚りをかけた糸で織られた極上の生地、 上着に入った南京玉縁、揉玉、松葉閂のディテール、 そこには手仕事でしか表現できない職人技が香ります。 日本の機屋で糸から織り上げたセルヴィッチデニムや ジーンズに付いた古いタロンのジッパーに つくり手の熱い気持ちが込められています。 昔ながらの上等な生地を探し出し、 職人的な技、古い機械で仕立てるのは cantateにとっては、それが必然だから。 cantate──目指すのは「ハレとケのワードローブ」。 日常と非日常、2つの顔を行き来できる服を思い描いています。 昔、古着屋で見つけたサヴィルロウで注文された上着。 仕立屋の名前は内ポケットの裏側のひっそりと 縫い付けられていました。 それは着ている服がどこ製のものであるか見抜かれないように。 英国紳士にとって、ブランドをひけらかすことは エチケットにも、紳士道にも反することだからです。 cantateのネームも、 しつけ糸を仮止めするように付けられています。 ネームはできれば外してから着ていただきたい。 服よりも、それを着る人が一番に輝いて欲しいと思うからです。 cantateとは、クラシック音楽の一種、 オーケストの伴奏が付いた声楽曲を意味します。 cantateを耳にすれば、 どこにいても非日常を感じ、 その音色が心を落ち着かせてくれます。 cantate同様に、 非日常を堪能できる、美意識を持った服づくり。 そして日常を意識した、 一生手放せないような普遍的な服。 そんな服をcantateはつくり続けていきます。